出張型 「BCP模擬訓練」「避難訓練」「災害対応知識向上教育」を受けて

「本物の訓練とは」

JDRSが行う
訓練(出張型)を体験して
社会福祉法人 関川愛育会
理事兼アンジェリーナ保育園 園長

1日目PM:「BCP(事業継続計画)模擬訓練」 南海トラフ地震対応版
2日目AM:「危険見積」・「避難訓練」(発災→一時避難→2次災害からの避難)
2日目PM:「救急法」(各種止血方法、ハンカチ等の使い方、人員搬送方法)
「非常時の知識」(非常用リュックの背負い方、詰め方等)

 

「BCP訓練・避難訓練・救急法」訓練様子

BCP訓練 「園児の命を守る新しい防災」 - YouTube

 

「本当に被災した気分になり訓練間怖かった、これが本物の訓練(危機管理)だと感じた」

「訓練が終わり空を見上げると何気ない日々がいかに平和かと感じた」

「園児の命に直結する本物の訓練が体験できた」

「BCP模擬訓練を体験して」(抜粋)

BCP(事業継続計画)模擬訓練を体験し訓練開始の映像から本当に震度7の揺れが襲ってきた感覚になりその後に次から次へと起きる不測事態に唖然とし何を優先するか判断に困りました。そのような様々な情報が出てくる中で、真に正しい情報を整理していかなければなりませんでした。

自らが決断しなければならない状況や早く的確な状況判断をして、職員に実行させるという場面も多くあり、実際に災害が起きたらもっとパニックになると訓練中ではありますが悩みました。

災害時には、そうならないためにも、普段から意識しておくことが大切になってくるとあらためて認識いたしました。

今回の訓練は、訓練とわかってはいても本当の災害にあったような訓練プログラム(約2時間)でありかなり体力を消耗しました。

実際は、もっと長く、過酷な状況になることが想像でき、職員も疲労困憊で疲弊してしまうと感じ訓練が終了し、空を見上げると、何気ない日々がいかに「平和なのか」と、ふと感じました。

元自衛官の方々が見てきた大規模災害を今回、訓練を通して目の当たりにでき、リアリティーある本物の訓練を体験できました。過去、様々な研修会や講習に参加しましたが、一番具体的で、入念な調査の元、現地に特化したプログラムを構成していただけた訓練でした。

全国的にもこのような訓練を提供できる団体は無くこの新しい防災・減災スタイル・訓練プログラムをもっと普及すべきと個人的に強く感じました。

何よりも今までに体験したことない「園児の命に直結する本物の訓練」が体験できたと強く思います。

「避難訓練」(抜粋)
<危険見積もり>

過去の災害の教訓の助言をいただきながら園周辺地域の危険見積もりも行っていただきました。

今まで気づかなかった危険性、歩いてみてわかった様々なリスクを助言いただき新たな対策等を洗出すことができました。

<避難訓練>

今までは、ただ避難して終了というマンネリ化した訓練になっていましたが、今回は、そうではなくそこから残された職員でだけで園を存続させていかなければならないという訓練を体験いたしました。

残された職員で園児の命を守るために最善の対応・判断が全職員できないといけないと感じました。

一つの避難経路にしてみても、様々な見直し箇所があり、そこに対して妥協することなく取り組んでいただけて想像していない箇所での危険性が把握・確認(マニュアル化までしてくださり)出来ました。

今後も同じような本物の訓練が大切であると感じました。

<救急法>

AEDの取り扱いは、何度か取扱い方法を訓練していますが大量出血等の負傷者に対する対応要領の知識はありませんでした。

 

今回、各出血に対して「圧迫止血」「緊縛止血」の要領を各部位ごとに学べ非常に勉強になりました。

また自衛隊の救急法の実用性の高さを感じました

 

<人員搬送方法・非常用リュックの背負い方・詰め方>

元自衛官の方ならではの使える災害対応行動である避難リュックを軽く背負う方法、非常用リュック荷物の詰め方、一人で運べるけが人の搬送方法等、今までに教わったことのない災害時に必要な知識・技術を学べて全保育士が本当に勉強になりました。

<最後に>

今回のご指導いただく前は、職員で危機管理の各種場面を想定し対策してきましたが明確な答えがいつも見つからず手探りで訓練等をしていました。今回の各種訓練等のご指導をいただき、この場面では、「何をしなければならない」・「この場面では何を考えなければならない」等の今後の具体的対応が把握できました。

数百万円の遊具購入も、もちろん子供たちが喜んでいいですが、今回のような過去の大規模災害等の教訓をリアルに体験でき今までにない真に機能する避難行動からの保育事業継続が体験でき園としての存続及び保育士が生涯活かされる訓練になりました。

これからもわが園に照らし合わせ、今日来るかもしれない、食事中来るかもしれない、お昼寝中に来るかもしれないと災害がいつ来るかわからないと思いながら日常から気を引き締めて行きたいと思っております。

今後は、当保育園の園児だけが助かるだけではなく、地域や他の園のすべての子供たち、人々が助かるために問題をより大きい視野でとらえ今後どうするかを考えていきたいと考えております。
南海トラフ巨大地震を含め各種災害に対して「まだまだ先だから大丈夫」・「災害はもともと少ない」等安易に考えるのではなく、より危機感を持って問題に対してまじめに考えていくべきとあらためて痛感いたしました。
この訓練を体験したことにより、今回のような元自衛官が行う過去の教訓を組み込んだ訓練プログラムを我々が発信元となって周りに周知していくことも重要な使命であると認識しました。
園の職員間で日々、意見を出し合って防災減災向上に努めてきましたが今後も継続的に協議をして、より良い園にしていきたいと考えております。

 

社会福祉法人 関川愛育会

理事兼アンジェリーナ保育園 園長 宮本 潤子